Mixing Vinyls

用語説明:

Cue(キュー)
※モニター中に使う。ヘッドフォン内の音のバランス調整。

Crossfader(クロスフェーダー)
※ミキサーの下の方にある左右に動くつまみ。
※(配線があっていれば)左にやると左のターンテーブルの音が出て、右はその逆。

Fader(縦フェーダー)
※ミキサーで一番目立ている奴。上下に動かせようになっているつまみ。
※(配線があっていれば)上に上げるとそのチャンネルの音量が増加する。


Mixing Technique:T


DJセットを一式買ってきたら、まず説明書通りに配線を繋ぎます。
カートリッジ(針)の配線や、ターンテーブルのアームのバランスや針圧の設定など
ちょっと面倒なところもありますが、説明書をしっかり読んで正確にセッティングしてください。

セッティングが終わったら、早速レコードをかけてみましょう。
まず1台目のターンテーブル(A)から音の出る状態にする。
Aの縦フェーダーを上げ、クロスフェーダーをA側に持っていき、針を乗せて回してみる。
その際音が出ないような場合は:
「ミキサーのMasterが低すぎる」
「ChannelのVolumeが低すぎる」
「アンプ(コンポ)の音が低すぎる」
「アンプ(コンポ)がAUX等繋いだチャンネルになってない」
「配線がおかしい」
などが考えられます。それでもおかしい場合はtechno-bbsもしくはDJ Luminousまで。
音が出たら、もう1台(B)の方にもレコードを置いてスタートさせてください。
この際レコードの回転数を間違わないように。
(33と45と言う数字がターンテーブルにありますよね?それが回転数です。
レコによって違います。)
(33=1分間にレコードが回転する数です。)

ヘッドフォンを片耳にしてください。
(ここからはミキサーによって違いがあります。)
ミキサーの右下の方にCue Channel 1や ただ単にChannel 1ってあるはずです。
Aの音がスピーカーから出ているならば、BのChannelをオンにして下さい。
ヘッドフォンでBの音が聞けるはずです。それがいわゆる「モニタリング/モニター」です
空いている方の耳でスピーカーから鳴っている音を聞きます。
なんだか頭の中で両方の音が混ざってワケのわかんないことになってますよね?
取り敢えずはそれで結構です。

そしてA側にあるクロスフェーダーを、B側の方に徐々に動かしていくと
両方の音がスピーカーから聞こえてきますね?
最終的に全部B側に持っていくとAの音が切れました。ミックスの終了です。
どうです?何となくでもいいので分かりました?
それではもっと本格的にやってみましょう!


Mixing Technique:U


自分の思ったタイミングでレコードをスタートできるようにします。
これには「頭出し」の技術が必要です。
まずレコードに針を乗せて、音(ビート)が始まるポイントを探します。
音が鳴った瞬間に、レコードを手で軽く止めます。
セッティングを間違っていなければ、ターンテーブルとレコードの間には
スリップマットという、滑る素材のシートがあるはずですので
レコードを手で止めてもモーターは壊れません。
ただ、あんまり強くレコードを押さえたり、
直接ターンテーブルの回転部分(ギザギザのついている横の部分など)を触って止めると
モーターが止まって大きな負担を与えることになるので危険です。
レコードの縁や表面を、軽く触って止めるようにしてください。

レコードを止めた時点では、もうすでに音が始まってますね?
それを丁寧に音の始まる直前まで戻します。
慣れた人はこの作業を片手でやってしまいますが、
最初は両手を使わないと出来ないかもしれません。
人によるようです。

何とか音の鳴り始めるポイントまで来たら、そのままゆくっり前後にこすってみてください。
「ダヒィダヒィ」って音になりますよね?
そうやって動かしながら、「イチ、ニ、サン、シ、ポン!」で
少しレコードを押しやるように手を離します。
うまくキレイに曲が始まりましたか?
手を離すタイミングがゆるいと、「ングワ〜ン」って感じで始まりますし
押しが強すぎると音が飛んだようにスタートします。
うまくいかなかったら何度でもチャレンジしてください。
この技術は日本で通称「ポン出し」と呼ばれるもので
DJプレイの基本中の基本ですので、何としても身につけてください。
特に難しいことではありません。
ちょっと練習すれば誰でもすぐに出来るようになります。
初めから出来ちゃう人もいるし。


Mixing Technique:V


次は主に、ダンス・ミュージックのDJに関しての技術です。
ダンス・ミュージックをプレイするならやはり
ビートに合わせてキレイにミックスしたいところですね。
ここでBPM(ビー・ピー・エム)という言葉を覚えてください。
BPMとはBeat Per Minute(ビート・パー・ミニット)の略です。
「ドン、ドン、ドン、ドン」というバスドラムの音はよく耳にしますよね?
あれは大体音符で言う四分音符で鳴っているものです。
むかし音楽の授業で習いましたね。え?もう忘れた?大丈夫です。
そんな事知らなくても、その感覚さえ解っていればいいのです。
この一定の感覚で鳴る「ドン、ドン...」のひとつひとつがここで言う「ビート」であり
1分間の内に繰り返されるビートの回数がBPMです。
そしてそれが曲の早さを表す単位になります。
テクノでは130BPM前後とか、早いもので140BPMを越えるものなどいろいろあります。
ドラムンベースなどでは150BPM以上を越えます。
トランスは140BPM前後で、ハードコアやハッピー系は200BPMを超える時もあります。

まず、このビートの4つを合わせたものが1小節です。
音楽の授業が苦手だった人も、この小節という概念だけは覚えてください。
4つのビートで1小節、それが4回繰り返された時点で4小節、8回で8小節です。
非常に単純なことです。 Robert MilesのChildrenで例を挙げてみましょう。
あの超有名なサビの部分「ターン タンタターン」で4小節です。
まずどれか1枚、レコードを聞いてみてください。
そして、「イチ、ニ、サン、シ!ニー、ニ、サン、シ!サン、ニ、サン、シ!....」と
ビートを数えてみてください。
そうすると、曲の展開(サビや全章やに入る所、クラッシュが鳴る所など)のある部分が
4とか8で割り切れる小節のところで訪れている事に気付くでしょう。
特殊なスタイルの曲でない限りほとんどの場合において、展開の最小単位は4小節なんです。
もちろん8小節ごとにリズムやメロディーが変わったり、
それ以上の間隔を置いて変化していく場合もあります。
でも、この「4っつずつの感覚」さえ覚えておけば、後は何とでも応用が効きます。


Mixing Technique:W


それではお待ちかね、2枚のレコードをうまくミックスしてみることにチャレンジです。
ここでは仮に1枚目のレコードが145BPMで、もう1枚が140BPMだったとします。
つまり2枚目の曲の方が、弱冠遅いワケです。
普通BPMが同じレコードをミックするなんてことは滅多にないような気がします。
あったらかなりラッキーですね^^;

まず1枚目のレコードをかけて、その間に2枚目のレコードの頭出しをしておきます。
もちろんこの頭出しの作業は片耳だけかけたヘッドフォンから聞いて行います。
そしてその頭出しの作業の間も、空いている耳ではスピーカーから
鳴っている音を聞いていなくてはなりません。
そして、先程の4っつずつの感覚を生かして、
その曲が今どういった展開にあるかを把握します。
そして4小節同士の繋ぎめの頭、「イチ」のところで次のレコードをポン出しします。
「ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン」
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
Childrenで言うと:
「ターン タンターン タンタターン タンタターン タラララターン タンタターン・・・・・」
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
両耳には互い違いの音が混ざり合っています。
ここでは2枚目の曲の方が遅いので、このままでは段々ビートがずれていきます。
そこでピッチ・コントローラー(ターンテーブルの右側にある上下に動くつまみ)の調整です。
1枚目の方が±0の位置にあるならば、2枚目の方は+2〜+3の間の位置まで持っていきます。
("+"=Faster、"-"=Slower です。数字はパーセンテージになってます。)
既に2枚目の方のビートが遅れているので、レコードを上から軽く押して
先に進めてあげなければなりません。
ターンテーブルのイボイボの部分を前に押し出すようにしてあげてもオーケーです。
わけが分からなくなってきましたねぇー。なんだかごちゃまぜです。
そういう時は、もう一度2枚目の方を元に戻して、頭出ししてから再チャレンジ。
2枚目のポン出し以降、左右の耳でで聞こえる
ビートのタイミングがずっと一緒になれば成功です。
このビートを合わせる事をBeat Match(ビートマッチ)と言います。
ビートマッチが少なくても20秒程度は一緒になるまでピチコンで合わせる。
できたら、ミキサーを使って、2枚のレコードをミックスしてください。
きれいなビートに聞こえますか?
「ドドン、ドドン」とずれているようなら、
今ひとつピッチ・コントロール、もしくはポン出しが上手にできてなかったようです。
再チャレンジしてください。

ミックスの仕方ですが、これは途方もない量のやり方があるようです。
しかしここでは僕が「Trance DJの基本中の基本」と思われるものを紹介してみます。

☆☆☆Using Crossfaer:
まずAの音を出して、BをAとビートマッチさせる。
頭だしをしてから、「4っつずつの感覚」に合わせてポン出しをする。
Bの縦フェーダーを全開より下目にセットする。
「4っつずつの感覚」できりのいいとこになったら、縦フェーダーを真ん中まで持っていく。
両方の音が出ているが、Bの音が少しだけ小さいはず。
Bの音を上げながら、Aの音を切っていく。
この時、EQ(エコラーザー)を使ってAのBassを切ったり、highを切ったりすると
よりプロフェッショナルなミックスになるでしょう。
EQを使うのはとっても楽しいです^^
ので、ミキサーを買う時に、「ChannelごとにEQがあるやつを選ぶ」ことをお勧めします。
Aの音の切り方は、Crossを使ったり、縦を使ったり多種多様です。

☆☆☆Without Using Crossfader
まずAの音を出して、BをAとビートマッチさせる。
頭だしをしてから、「4っつずつの感覚」に合わせてポン出しをする。
Bの縦フェーダーを最小にセットする。
縦フェーダーをど真ん中まで持っていく。
徐々に徐々に縦フェーダーを上げていき、ある程度まで行ったら今度はAを下げていく。
そうやって最後まで終了したら、CrossをB側に持っていき、ミックス終了。
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以上がDJのテクニックの初歩的な部分です。
とにかくここのビートマッチは念入りに練習してください。
とことんのとことんのとことん以上練習して下さい。(冗談ではありません。)
プロのDJはこのビートマッチをわずか数秒でこなし
さらにはいろんなトリッキーなワザまで使ってしまうのだから、スゴイもんです。
(因みに僕は大体30-60秒ぐらいかかります。早い時で5秒ぐらいでしょうか。)

僕のDJの練習のお勧めとして一つ挙げると「CDの真似をする」です。
大好きなコンピCD(誰かによりMixされたCD=Compilation)の中の
繋がっている2曲を買ってきて、それと同じようにミックスできるように練習する。
これは結構いい練習だと思いますよ。
僕はやった事がないんですけどね r(^0^;)
最近聞いているコンピ(Essential Millennium)のOakey(Paul Oakenfold)の
ミックスがカッコイイので、このレコードを買ってやってみるつもりです。
一口に「DJの善し悪し」を決めるのは難しいですが、このビートマッチの速さは大事です
そして特にトランスDJの場合は「曲の選択」。
これにつきます。いいDJはどんどん上へ上へともって行ってくれますが
下手なDJ(変な選曲をするDJ)の時は、とことんしらけます。
皆さんもいろんなDJのコンピやDJセット等を聞きまくって
良い所、悪い所、テクニックなどを盗み、自分の耳を磨いていって下さい!

長々と付き合ってくれて、ありがとう!!!

質問、苦情、ヘルプはtechno-bbsもしくはDJ Luminousまで。


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